著者：株式会社Anything

騒音や振動の少ない安全な解体方法を探していませんか。

「近隣からのクレームが心配」「大型の構造物を静かに切断したい」「現場に適した工法がわからない」そんな悩みを抱えている方にとって、ワイヤーソー工法は確かな選択肢です。

コンクリートや鉄筋を対象に、無振動かつ高精度に切断できるこの工法は、住宅街や医療施設周辺の現場でも騒音を気にせず施工が可能です。現場での安全性が確保され、撤去作業の効率も格段に高まります。水中や高所など特殊な構造物にも柔軟に対応できるため、従来工法では対応が難しかった撤去や施工にも対応できるのが強みです。

さらに、ダイヤモンドを使用した切断ワイヤーと専用プーリーによる均一な力の伝達で、対象物をmm単位で正確に切断することができ、精密な施工を必要とする現場でもその効果を発揮します。これは多くの施工現場で選ばれている理由でもあります。

読み進めていただければ、ワイヤーソー工法の詳しい施工手順や、現場に最適な機材選定の基準、安全管理の具体的事例まで、わかりやすく解説していきます。施工ミスや不要な追加費用を防ぎ、信頼できる工事を実現するためのヒントを、ぜひ手に入れてください。

解体現場で活躍するワイヤーソーが注目される理由

ワイヤーソーの原理と特徴をわかりやすく解説

解体現場で使用されるワイヤーソーは、コンクリートや鉄骨などの構造物を高精度で切断するための特殊な工法です。ワイヤーソーの最大の特徴は、ダイヤモンドが埋め込まれたワイヤーを高速で循環させ、摩擦と研磨の力で切断を行う点にあります。この工法は、振動や騒音が少ないため、住宅街や病院、商業施設といった環境でも安心して利用できるのが魅力です。自由度の高い切断が可能であり、曲線や斜め方向のカットにも対応できることから、設計通りの正確な解体が求められる現場において重宝されています。

近年は、インフラ老朽化への対応として橋梁やトンネル、煙突、発電所などの部分解体が求められるケースが増加しており、こうした精密かつ制限された空間でも安全かつ効果的に作業できるワイヤーソーの需要が高まっています。施工中の粉塵や騒音の影響を最小限に抑えることができるため、環境負荷の観点からも優れた工法とされています。作業者の安全性を確保しつつ、周辺住民への影響も軽減できる点から、都市部や再開発エリアでも導入が進んでいます。

さらに、乾式と湿式という2つの切断方式が存在し、現場条件に応じた使い分けが可能です。湿式は水を使用してワイヤーと切断面を冷却しながら作業を行う方式であり、切断面の精度が高く、粉塵の発生も抑えられるため、一般的な構造物や屋外での作業に適しています。一方、乾式は水を使用せずに切断を行うため、排水設備が整っていない現場や寒冷地、地下構造などで有効です。ただし粉塵が多く発生するため、作業者の安全対策や集塵機の使用が必須となります。

ワイヤーソー工法は静音・無振動・高精度という特性を備えつつ、現場環境に応じて柔軟に対応できる解体手法であり、今後の建設・解体分野においてさらに需要が拡大していくと見込まれています。導入に際しては、使用環境や対象構造物の特性を正確に把握し、適切な方式と機材を選定することが、安全かつ効率的な施工に直結します。

他の切断工法との違い、比較でわかるワイヤーソーの強み

ウォールソー、コアドリルとの使い分けの例
ワイヤーソーは、解体や切断を行う工法の中でも特殊かつ高精度な手法とされ、他の代表的な工法であるウォールソーやコアドリルと比較しても、対応できる現場や条件が大きく異なります。それぞれの工法には特徴があり、現場ごとの状況に応じて使い分けることが重要です。

工法名	騒音	振動	切断精度	適用対象	施工範囲の自由度	特徴
ワイヤーソー	小さい	極めて小さい	高い	コンクリート柱、煙突、大型構造物	高い	大型・複雑構造物にも対応、静音で精密施工が可能
ウォールソー	小さい	小さい	高い	コンクリート壁、床スラブ	中程度	直線的な切断に強く、制御しやすい
コアドリル	小さい	小さい	中程度	アンカー用穴開け、小径貫通	低い	丸穴に特化、配管や電線通し用の孔施工に最適

ワイヤーソーはダイヤモンドワイヤーを用いて高速で摩擦切断を行う工法であるため、曲面や複雑形状への対応が可能です。ウォールソーでは困難な曲線切断や厚みのある構造物への対応力は群を抜いています。一方、ウォールソーは壁面に沿ってガイドレールを設置し直線的に切断するのが基本のため、まっすぐな切断が必要な場合に効率的です。コアドリルは丸い穴を開ける専用の機材であり、アンカーボルトの挿入や配管のための穴施工など、限定的な用途に最適化されています。

シーン例	推奨工法	理由
高層ビルの柱を静かに解体したい	ワイヤーソー	騒音・振動が少なく、高精度で安全に施工できる
コンクリートの壁を直線的に切断したい	ウォールソー	ガイドレールを活用して効率よく切断できる
配管用に丸穴をあけたい	コアドリル	小口径の円形穿孔に特化しており、仕上がりもきれいである
地下構造物を騒音を出さずに撤去したい	ワイヤーソー	湿式切断により粉塵を抑え、狭所でも高精度施工が可能
既設構造物に穴を開けて耐震補強したい	コアドリル	穿孔位置が正確で、構造を壊さずに補強用の穴を確保できる

さらに近年では、これらの工法を併用して現場に応じた最適な施工方法を提案するケースも増えています。コアドリルで下穴をあけた後、ワイヤーソーで全体を切断するなど、複数の工法を組み合わせることで、より効率的かつ安全な施工が可能になります。このような柔軟性も、現代の施工現場における重要なポイントといえるでしょう。

ワイヤーソーが適している現場一覧、静かな住宅街・大型施設・地下構造物
ワイヤーソーは、その静音性と高い施工自由度により、他の解体工法では対応が難しい特殊な環境でも活躍します。次のような現場では、他工法よりも圧倒的に適していると言えます。

現場環境	適用理由	注意点
静かな住宅街	騒音や振動が極めて小さく、近隣への影響が少ない	作業時間・水処理の管理が必要
医療施設周辺	無振動施工により医療機器への干渉を回避	清掃性やスラリーの飛散対策が重要
学校や商業施設	営業・授業を妨げずに施工可能	作業時間帯に配慮が必要
地下構造物（配管周辺、ピット内）	機材の持ち込みが容易で、狭小空間でも自由に切断できる	換気や集塵装置の設置、安全確保が必要
水中・水辺の構造物	湿式切断で粉塵を抑え、切断面も美しく仕上がる	潮流や水深によっては施工装備の強化が必要
工場・プラント内部	設備を稼働させながら一部構造を切断可能	可燃性ガスの有無や振動影響に注意

ワイヤーソー工法の施工手順と使用機材を詳解

工程の流れ（穿孔〜ワイヤー装着〜切断）

ワイヤーソー工法は、精密で安全な切断を可能にするため、工程ごとの正確な作業が求められます。構造物の形状や設置環境によっては細かな調整が必要となるため、施工前の計画から切断完了までの流れをしっかりと理解しておくことが重要です。

工程名	内容の詳細
現地調査と施工計画	切断箇所の寸法・構造・周囲状況を確認し、必要機材や手順を確定します。
穿孔作業	ワイヤーの通過ルートを確保するため、対象物に必要な数の貫通穴をあけます。
ワイヤー装着	穿孔された穴にダイヤモンドワイヤーを通し、プーリー（滑車）を設置して張力をかけます。
ワイヤールート調整	ワイヤーの経路がスムーズであるか確認し、切断面に対して均一に力がかかるように調整します。
冷却・粉塵対策準備	湿式の場合は給水装置を、乾式の場合は集塵機や排気ファンを設置し、安全対策を整えます。
切断開始	ワイヤーを動かしながら、対象構造物を切断していきます。自動制御装置を併用することで精度を高めることが可能です。
切断終了と撤去	完了後、切断物を安全に取り外し、ワイヤーや機材を解体・回収します。必要に応じて残材処理や後片付けを行います。

ワイヤーソー工法は単純に見えて繊細な作業を要求される工程が多く存在します。穿孔の位置精度が悪ければ、ワイヤーの進行方向にズレが生じ、切断面が歪んでしまうリスクもあるため、初期段階の測量と位置決めが重要とされています。

使用される主な機材とその特徴（電動・油圧式）

ワイヤーソー工法において使用される機材は、切断対象物の材質や厚み、設置環境などに応じて最適なものが選定されます。動力源として使用される「電動式」と「油圧式」にはそれぞれの特徴があり、用途に合わせた機材選びが重要です。

機材区分	主な特徴	適している施工現場
電動式	小型軽量で取り回しが良く、室内や狭所での施工に向いています。	住宅地、室内解体、設備撤去、天井裏や配管周囲など
油圧式	強力なトルクを持ち、厚みのあるコンクリートや大規模構造物に対応。	橋脚、トンネル、煙突、工場の基礎部、大型建造物の解体など
ハイブリッド型	電動と油圧の両方の特性を併せ持ち、多様な現場に柔軟に対応できます。	工期が短く、多様な切断条件が求められる都市型再開発現場など

電動式は軽量で取り扱いやすく、狭小スペースでも簡単に設置できるため、複雑な構造の建物や内装解体工事などにおいて重宝されています。ただし、出力は控えめなため、分厚い構造物や高密度コンクリートには不向きです。

一方、油圧式は大出力が特徴で、重量物や高強度コンクリートの切断も難なく行えます。長距離配線が可能で、操作装置を安全な位置に離して配置できるため、大規模構造物や危険性のある現場での施工に多く採用されています。

現場別の注意点、高所作業、水中切断、地下空間の安全管理

ワイヤーソー工法は多様な現場に対応可能な工法ですが、それぞれの環境によって求められる安全管理や作業上の配慮点が異なります。高所、水中、地下構造といった特殊条件下では、想定されるリスクに応じた事前準備と安全対策が不可欠です。

現場環境	主なリスク	必要な対応・安全対策
高所作業	落下事故、機材転倒、風による不安定	足場・安全帯の使用、機材の固定、天候変化への即応体制の整備
水中・水辺切断	水流による機材移動、感電、作業者の視界不良	防水型機材の使用、絶縁対策、潜水士の配置、バディ制度導入
地下空間（ピット等）	換気不足、ガス滞留、粉塵充満	換気装置・ガス検知器の常時設置、呼吸保護具の着用、逃げ道確保

高所作業では、安全帯の使用はもちろん、ワイヤーを張った機材が転倒しないようにしっかりと固定する必要があります。強風時には施工を中止する判断も必要であり、常に天候を把握することが求められます。

水中作業では視界が制限されるため、潜水士の専門的な技術が求められます。電動機材を使用する際は感電対策として絶縁構造や漏電遮断装置の使用が推奨されます。

地下構造の場合は換気が重要です。切断中に発生する粉塵やガスがこもりやすいため、強制換気やガス濃度の常時モニタリングが必要です。避難経路も複数確保し、万が一のときに備えたマニュアル整備が現場の安全を左右します。

おすすめできる施工会社とサービス選びのポイント

見積依頼前にチェックしておくべきポイント

ワイヤーソー工法の施工を依頼する前には、見積もり内容の理解と事前準備が重要です。解体対象の構造や設置環境によって費用や作業日数が変動するため、見積もりの段階で必要な情報を的確に伝えることが、納得のいく施工につながります。

確認項目	内容の例
対象構造物の種類	橋脚、地下壁、煙突、コンクリート塀など
構造物の寸法	高さ、厚み、奥行、切断したい箇所の正確な範囲
現場環境	地下、屋上、水辺、住宅街など周囲の条件
制限事項	作業時間の制約、騒音制限、振動制限、使用可能な電源など
必要な切断精度	ミリ単位での正確な切断が必要か、切断面の仕上がりを求めるかなど
処分の有無	切断後の搬出・廃材処理が含まれるかどうか

見積書の記載内容も細かく確認することが大切です。以下のようなポイントは確認を怠らないようにしましょう。

• 作業人数と作業日数が具体的に書かれているか
• 機材運搬費や養生費、交通費などが明記されているか
• 追加料金が発生する可能性とその条件が記載されているか
• 保険や保証に関する記載があるか

さらに、現地調査を実施してくれる会社であるかも重要な判断基準になります。電話やメールのみで見積もりを出す場合、現場条件が正確に反映されていない可能性があるため、後から金額の増額や工程変更につながるリスクがあります。

依頼者自身が納得できるよう、相見積もりを複数社から取るのも有効です。同じ条件でも施工会社によって対応方法や提案内容が異なることがあり、結果的に自分の現場に最適な業者を見つけることができます。

施工会社選定の基準、専門性・実績・機材保有状況

ワイヤーソー工法の施工を成功させるためには、施工会社の選定が極めて重要です。特殊かつ高精度な技術を要する工法であるため、経験や専門性、保有機材、施工体制などを十分に確認する必要があります。

評価項目	内容の詳細
技術の専門性	ワイヤーソーに特化した技術者が在籍しているか、協会等の研修修了者かどうか
実績の豊富さ	類似の施工事例があるか、施工写真や内容が明示されているか
使用機材の質と種類	電動式、油圧式、湿式乾式の両対応など、多様な施工条件に対応できる設備が整っているか
安全管理の徹底	安全対策マニュアルの有無、作業者の資格、作業中の記録・報告体制の整備など
保証・保険の有無	賠償責任保険や工事保証の明示があるか
対応エリアと工期	対応地域が希望範囲かつ、スピード対応が可能か
説明・対応の丁寧さ	ユーザーの質問に対して専門用語をかみくだいて説明してくれるか

まとめ

ワイヤーソー工法は、解体現場において静音性・高精度・安全性の面で優れた特徴を持つ、現代的な切断工法のひとつです。騒音や振動を最小限に抑えながら、コンクリートや鉄筋、煙突、橋脚といった構造物を効率よく切断できるため、住宅地や医療施設の近隣、大型施設の一部撤去など、制限のある現場にも柔軟に対応できます。

ダイヤモンドを用いたワイヤーによって、対象物をmm単位で正確に切断できる点は、従来工法では実現が難しかった場面でも活躍します。湿式・乾式の使い分けや、電動式と油圧式といった機材の選定によって、地下構造物や水中、高所など特殊環境での施工にも最適化できることも大きな強みです。

専門性の高い作業であるからこそ、施工会社の選定や見積依頼の準備が重要になります。事前に現場の条件を明確に伝え、対応機材や安全体制、過去の実績などをもとに信頼できる施工業者を選ぶことが、コストや工期のトラブルを防ぐ大きなポイントになります。実際の現場での成功例や失敗事例から得られた知見を活かすことで、無駄な費用や事故リスクを避けることが可能です。

施工を成功させる鍵は、「適切な情報」「的確な選択」「信頼できる技術」にあります。紹介した内容が、これからワイヤーソーによる解体工事を検討する方の不安や疑問を少しでも解消し、より確実で満足度の高い結果につながる手助けとなれば幸いです。今後の解体工事において、確かな選択と準備が安心と効率を生み出す一歩となるはずです。

よくある質問

Q.ワイヤーソー工法で解体する場合、騒音や振動はどのくらい抑えられますか
A.ワイヤーソーは切断時の振動が小さく、騒音も極めて抑えられる工法です。住宅街や病院、学校など騒音対策が求められる現場での施工に適しており、周囲への影響を最小限に抑えることができます。振動が構造物全体に伝わらないため、既存の設備や周辺建物への悪影響を避けたい場合に選ばれるケースが多く、安全性と静音性を重視した施工を行いたい方に向いています。

Q.ワイヤーソー工法はどのような構造物に使えるのですか
A.ワイヤーソーは橋脚や煙突、コンクリート壁、水中構造物など、厚みがあり複雑な形状の構造物にも対応できる工法です。解体対象物の大きさや設置環境に応じて自由に切断ラインを設定できるため、狭い現場や高所作業、地下空間でも柔軟に対応できます。対象物がmm単位での精密な切断を求められる場合にも、ワイヤーソーは高い施工精度を発揮します。

Q.解体工事を依頼する前に、ワイヤーソーに関するどんな情報を準備すればいいですか
A.施工会社に正確な見積もりを依頼するには、対象物の寸法、材質、設置環境、工期の希望、作業時間の制限、周辺状況などを整理して伝える必要があります。コンクリート構造物の厚みや解体箇所の範囲、水中かどうか、作業スペースの広さ、安全養生の必要性などを事前に把握しておくと、スムーズに工事が進みやすくなります。プーリーやワイヤーの設置ルートも現地状況によって変わるため、詳細情報は正確に伝えることが重要です。

Q.ワイヤーソーに対応している施工会社の選び方に注意点はありますか
A.ワイヤーソー工法は専門性が高いため、使用機材の種類や技術力、過去の施工事例、現場での安全管理体制が整っているかを確認することが重要です。電動式や油圧式といった専用機材を複数保有し、乾式と湿式の両方に対応可能な業者であれば、現場に応じた柔軟な対応が可能です。さらに、解体や撤去作業において安全第一で作業を進める姿勢があるか、構造物に対して丁寧に対応できる技術者がいるかなども見極めるポイントになります。施工会社選びで妥協すると、不要な作業工程や費用が発生するリスクもあるため、信頼性の高い業者を選ぶことが成功の鍵になります。

会社概要

店舗名・・・株式会社Anything
所在地・・・〒762-0016 香川県坂出市青海町1431-8
電話番号・・・0877-85-3492